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貴方の夢はどんな夢?・快適なFX取引の旅を貴方に!

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潮騒の詩歌集 花物語

  潮騒太郎 人生の詩歌集 花物語

むかし浪速の野江町に白い花が咲いていました
ある時その花が飛んできて 押しましょうかと声かけました
  故障した車にてこずってた僕は恥ずかしいやら眩しいやらで
真赤になってことわりました十七八の頃でした

それが縁でつきあいはじめ 何度かデートを重ねました
花の高校みやこじま 友達もいて表向きは楽しそうでも
  田舎から大阪にきて日も浅く 働きながらの夜間高校生活
  生活の切り替えや言葉の違いに 望郷の想い
将来の不安など自分なりに悩み苦しんでいたのです

タンゴのレコードを貸したりして いい関係に進みそうでしたが
  映画を約束すればすれ違いになるし 思うようになりません
あの娘は四条縄高校生 自分は昼間は工場で夜の学校
  ある夜下宿で友達と酒を飲んでいたら 親の目に隠れて
  逢いに来てくれました 二人で近所を散歩していたら
  いきなり あの娘の親父にどつかれて
  ぶざまな事になってしまいましたその時の傷が今も頭に残っています

それから何年か後に逢う機会がありましたが やっぱり駄目でした
  性格が合わなかったのか 僕の考えが幼かったのでしょう
  彼女はある時僕に初恋だと打ち明けました
  逢えなくなった頃 僕はだんだん自分をとりもどし
  後になるほど彼女を好きになり 考えてばかりいました
  でも手遅れだったんです 仕事の悩み、望郷の想い、孤独感、
  毎日の生活の中で必死で生きているのに、将来の不安はつのるばかり、
月給3000円の時代でした 15歳でたったひとり大阪にきて 
  余りにも悩みが多すぎました・・・・・・ 

  それから何年も過ぎて僕は結婚し 三人目に娘が生まれました
未練でもなく 生々しい思い出がある訳でもなく
  ただただ・・青春のまっただ中で 無我夢中で生きた生活の中で
  自分があの頃に生きたと証明できる 唯一つの思い出
  ほとんどは自分だけの 自分の心の中だけに詰まった思い出
  そんな心の奥底の思い出を 自分の子供に伝えたい想い
  とでも 言うのでしょうか
 彼女の名前[暁子]と名付けました

それから色々の仕事をして、いつしか大阪の片隅で居酒屋をやっていました
時々あの頃 波乱万丈で 物悲しかった時代を思い出すんです
初心で純情だったこの僕もいつしかおじんになっていました
  僕の居酒屋のテーブルに真っ白の無垢で
可憐でかわいい 木瓜の花が咲きました 

真っ白の洋服で僕の前に飛び出して来た 彼女は僕の青春時代の
 苦しくて大切な思い出です、それ程身近な存在ではなかったのに
 心の中では思いがいっぱいだったのだと・・
 今更のように思い出すのです
今ではもう良い年になった娘の  暁子の幸せを願う毎日です


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